¥68,800のiPadを¥342,450で売る事など、本当に出来るのだろうか。
Joker by Colleeee, on Flickr突然思いついた名前だが、商標登録はされていないようだ。
ペニーオークションと呼ばれるWebサイトを最近目にするようになった。ちょっとした計算をすれば、落札商品自体の落札価格と、入札の度に支払う手数料とを合わせた金額が、実際の購入金額に相当する(送料を除く)というのは、簡単に分かると思う。
しかし、1つの商品を購入できる者(人とは限らない場合があると思われるのでこう表現)は、1者しかいない。当たり前である。つまり、オークションに参加した他の者は、落札できないにも関わらず、入札手数料を払わなければならない。これは、ゲームだろうか。ギャンブルだろうか。詐欺だろうか。
実際、ググると、これらのサイトに対して、詐欺だサクラだという書き込みが目につく。中にはシステムが不正を働き、入札ボタンが押せなくなるというものもあるが、真偽のほどは定かではない。
例えばeBayなどのオークションでは、落札しない者が手数料を支払うことはない。
だが、摘発でググっても、そうした情報は全く見つからない。それどころか、このエントリを一旦公開したら、そこにペニーオークション開発に関する広告がずらりと並んだではないか。ということは、少なくともGoogleは合法だと判断しているということになるだろう、と自分には思える。とはいえ、あるいは、しかし、これは本当に合法なのだろうか。本当にシステムは公正な運用をしているのだろうか。当局は、何らかの法律に則り、これらをチェックしているのだろうか、あるいはなすがままなのだろうか。
Dead Man's Hand by gfpeck, on Flickr仮に、あくまで仮定の話である。仮に、システムが公正で、本当にオークションに参加し、自ら手数料を払う人ばかりで成り立っているなら、全く合法的に運用できるとすると、次のようなシステムならどうか。
・落札価格には最低落札価格が設定されている。これは入札手数料と原価と利益で構成される。最低落札価格に到達しなければ、オークションは成立せず、全ての手数料は払い戻される。ただし、最低落札価格は、入札が入る度に手数料収入があがるため、自動的に下がっていく。例えば1000円の最低落札価格から始まって、1人入札すると100円の手数料が入るとする。そうすると最低落札価格は900円に下がる。ただ、最低落札価格がゼロ円になったからといって、オークションが終了するわけではない。そこからは本当の意味でのオークションに突入していく。
・価格がつり上がったところで新参者がやってきて、落札されてしまうと、そこまで手数料を積み上げた者にとっては不公平な話だと思う。かといって、途中参加を制限するのも憚られる。そこで、手数料も積み上がっていく方式とする。手数料は最高手数料支払い者の額と同額とする。例えば基本手数料が100円だとして、すでに10回入札して1000円投じた者がいるなら、新参者の次の入札手数料は1000円になり、その次からは基本手数料100円に戻る。
・同時入札の場合、サーバ側がどちらかを勝手に決めるが、漏れた方のその回の手数料は当然発生しない。同時入札で負けました、的な表示がされる。
という極めて公正だと自分は思うオークション"ゲーム"サイトをやってみたいのだが、果たして実現可能だろうか。あなたの買い物の代金をみんなで払う。それがこのオークションだ。そう考えると、誰も参加しないと思うのだが。
Poker chips by LLudo, on Flickrしかし、それにしても、これだと、例えば手数料が上がる辺りは、まるでポーカーのレイズようだ。賭けを続けるには相手と同額以上の賭金を払う必要があるし、賭金がつり上がりすぎると、賭金が払えないとか、相手の手が強そう(相手が狙っている落札価格が高額)だとか、といった理由で降りざるを得なくなるが、それまでの賭金は戻ってこない。
唯一落札されなければオークション参加者は誰も損しないが、システムに儲けが出ない。それで運営し続けられるか。少なくとも何か他の(広告などの)収入が必要だ。
難しい。
ところで、こうしたことを考えググっていると、
UFOキャッチャーがギャンブルに近づくという話を見つけた。なるほど言われてみればそうだ。ただUFOキャッチャーにはクレーンを操作するゲーム性が明らかにある。私は何回やっても取れないが、達人と言われる人なら一発でゲットするのがその証拠だ。
ちなみに景品は1個800円以下でなければいけないという文書(
ゲームセンターにおける景品の取り扱いに関する要領)を
AOUという公益法人が発行している。が、この実効性などは全く分かっていない。UFOキャッチャーの景品は一般には買えないと聞いていたが、だとすると、値段はどうやってきまるのか。
nodoubtaboutit by weegeebored, on Flickrネーミングはナノオークションより気に入っているものがある。
追記: 11/29 23:36
これは何かの間違いだろうか。サービスで頂いたコインを使ってまだ誰も入札していない締め切りまで25時間はあったと思うApple iPad Wi-Fi 64GBに1回だけ入札したのだが、今しがた見たら、¥4,563で落札されている。もちろん問題は落札金額そのものではないのは前述の通り。このオークションは¥1円単位で入札される。もう一度言う。
1円(もちろん日本円)単位で入札されるのだ。そして
1回の入札手数料は75円(これも日本円)、つまり、4,563回もの入札が行われており、いわゆる計算によると、4,563 x 75 =
342,450円(日本円である)が総入札にかかった相当の金額になる。もちろんこの中には、私のように無料でもらったコインを使っての入札も含まれているので、実際に現金がどれだけの割合を占めるのかは、主催者に聞くほかは無いだろうが、これが全部現金ならそれはそれは恐ろしいビジネスモデルと言わざるを得ないし、先を争って参加しないわけには行かない、と思えてくる。恐ろしい人間の底知恵。世の中にはすごい人がいるものだ。