2010年12月7日火曜日

いろいろ

いろいろ分かってくることがある。というより、色々分かるようになっているのが分かる。そういう自覚がある。



18の頃、とある楽器会社に勤めていた。その頃、同僚の上原君が見事に塗装してくれたのだ。元の色はサンバースト。当時、振り返ってみると、子供子供していた自分には、サンバーストの美しさなど理解出来るはずも無かった。ジャコ・パストリアスやラリー・グラハムがアイドルだった高校生の自分は、ただ薦められるままに、「60年代のジャズベースを忠実に再現してあるんだよ。」と、本物のジャズベース(確かぎりぎり69年か70年だった)を持ち、名器と謳われる60年代後期を実際に知る、そしてその私が勤めることになった楽器会社のOBで、アメリカ帰りのリペアマイスターたる(という風に私は思っていたし、事実、近所ではそういうステータスのある人だった)そのお方の言葉が私のなかでは定義として根付いていた故に、これがいいんだ、という信じ方で購入したのだった。そういう意味で、心底気に入っていたわけではなかった。

だが、30年経った今日、改めて触ってみた今(といっても最後に弾いてからは2、3年だと思うが)になって、その何たる弾きやすさに初めて気づいたのだ。

「嗚呼、こういうことだったのか。」

ようやく分かった。近頃はたまに弾くとしてもその何とも言えない、いろんな意味での"軽さ"から、ピギーのアンプ付きショートスケールのおもちゃっぽいベースばかりを弾いていたが、巧く弾けないのはショートスケールということもあるが、全体的な薄さやスケール長に比して幅広なこと、低過ぎる弦高、柔過ぎる弦張、などなど、楽器としてのバランスの悪さにあった。もちろん巧い人なら難なく弾きこなすだろうという意味においては、あくまで相対的な問題でしかない。十代の弾き初めの頃、毎日弾いていたものと比べるべくも無いということもあるだろう。しかし、以前は弦高の高さやネックの反りなど、弾き辛い、もっとジャコみたいにビビる寸前まで弦高低くしないと、と信じていたのだ。

そうしたことが、全部、架空の妄想で、自分の考えでは無かったのだ。全部誰かがそう言ったから。それを鵜呑みにしていた。例えば、確かに弦高は高い。もっと低ければ弾きやすいのは確かだろう。だが、十分な握力と技術があれば、それは全く問題ではない。むしろサムピック奏法には有利だし、大音量、つまり大きく弦を大きく弾ませても、弦とフレットの間の空間に余裕がある分、他と干渉することなく、思いっきり振動させることができる。

そして何といってもネックの細さ。思い出したが、これがフェンダージャズベースの60年代後期の名器たる要素のひとつだ。今にして、自分自信の感性を持ってして、その素晴らしさを実感している。

本物ジャズベースと言えば、19か20の頃、友人と都内の楽器店で当時40万円だったと思う、それを試奏させて貰えたことがある。そのE開放の堅く、乾き切った、まさに「スコーン!」という抜けの素晴らしさに感動し、ローン交渉に入ったところ、その友人に強制退去させられたことがある。後にも先にも本物に触れたのはその一度だけであるが、それ以来近寄らないようにして来た。見合う腕になるまではと。そうしていつの間にか、ベース自体から物理的には大きく離れてしまっていた。もちろん、時折思い出したかのように、エフェクターを買ってみたり、弦を張り替えてみたり、ピギーを買ってみたり、ヴァーチャルアンプを買ってみたり(これが最後)。

だが一度もベースを弾かなくなるとか、音楽を止めると思った事はない。ただどんどん奥底にしまわれていった。

それが今年になって、ラウルがマドリーを去り、ラリーグラハム様と超接近遭遇できたり、学校TVを観たり、頭狂奸児唐眼の素晴らしさを再発見したり、自分の中で、明らかに感覚が変わってきている、何か、全く見えなかったもの、理解出来なかったものが、理解出来るようになっている。そういう自覚がある。右手の力をもっと抜けば、もっと巧く弾ける。それには意識をコントロールすることだ、という気づき。


で、ジャズベースがもっと手軽に弾けるように、アンプ内蔵ヘッドホンがあればなあ、と思ったのだが、サウンドハウスあたりに売ってないだろうか。そういう製品があるかどうかすらも分からないのだが。


12/9 追記
skrb様よりVOX amPlug という製品を教えて頂き、早速Bassというベース用をサウンドハウスするも、よーく見たらそちらも3週間待ちとなっており、あれーと思ったら、Bass以外は全部在庫があるのを見て、間違ってしまったのだった。ということで、年末だと留守で代引きできない可能性があるため、一旦キャンセルさせて頂いた。大変申し訳ありませんでした。

2011/07/06 追記
amPlug Bassの在庫切れにしびれを切らしてiRigを買ったものの、iPhone4がどうもじゃまで、ぴったりセットできる治具というか、そういう物をいつか作ろうと思っていたのだが、iRigはiPhone4のタッチパネルをOFFにするとiPodとは違って、一緒にスリープしてしまう。これだと演奏中にあたったときに、iRigのページに行って何か買おうとする状態に入ってしまうから困る。いちいちキャンセルボタンを押して戻ってこないと行けなくなるので。

そんな不満に、誰もいない昼間に小さい音で鳴らす分にはスピーカーの方が良いという欲求が追い討ちをかけた。

そうしたらこんなことに

0 件のコメント:

コメントを投稿