2011年7月18日月曜日

電子ピアノ

KROG SP-250というの数年前に買った。当時としては、値段の割になかなか良い音とタッチではないかと思う。だが購入した後(なぜ前でないのか自分でも不思議だが)、鍵盤を拭くためのキットを買いにヤマハ楽器に行ったとき、そこに陳列していあった本物のアップライトピアノを、本当に何の気なしに鳴らした途端、ぶっ飛んでしまったのを覚えている。決して高価な部類ではなかったと思う。第一、私は東海楽器のピアノ課出身(といっても新入社員で2、3ヶ月働いただけ)、いまさらピアノの音に動じるなんておかしいと思うのだが、あれほど買う前に、なかなかリアリティ溢れる音だと思っていたイメージが、ステンドグラスが床に落ちて割れて散らばったような状態になってしまった。

しかし、つい昨日まで、その理由がよくわからなかった。いや、昨日、初めてその理由が分かった。そして、ステンドグラスが割れた日を思い出した。

生のピアノは、当然、その場で弦が鳴り響いている。ところが電子ピアノときたら、さしずめ録音した素晴らしいピアノの音を、鍵盤に合わせて再生しているだけなのだ。つまり、オーディオなのである。いわば自分が演奏した音を録音して再生している、あるいはマイクで拾ってヘッドフォンで聞いているようなものなのだ。


だからどんなにいい音、音色であっても、オーディオ再生でしかない。ステンドグラスが割れるはずである。

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